遊漁船業を始めるには?

ボートで釣りをしている男性

遊漁船業とは

遊漁船業とは、船舶により乗客を漁場(海面及び農林水産大臣が定める内水面※1に属するものに限る。)に案内し、釣りなどの方法により魚類その他の水産動植物を採捕させる事業をいいます。

釣船、磯・瀬渡し、潮干狩り渡し、いかだ渡し、カセ釣り、観光定置網、シーバスチャーターボート、シーバスガイド、バスフィッシングガイドなどが該当します。

※1 農林水産省が定める内水面は、サロマ湖・能取湖・風蓮湖・温根沼・厚岸湖・霞ケ浦、北浦及び外浪逆浦(これらの湖沼を連絡する水路であって茨城県の区域に属する部分を含む。)・加茂湖・浜名湖・琵琶湖・中海と定められています。

遊漁船業の登録

遊漁船業を営もうとする者は、その営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければなりません。

登録の有効期間は5年となっており、5年ごとに登録の更新の申請手続きをして登録を受けなければ、その期間の経過によって効力を失います。

遊漁船業者の義務

・損害賠償保険または共済への加入

遊漁船の定員1人当たり3,000万円以上をてん補する保険契約か共済契約への加入が義務付けられています。

・業務規程の届出義務

登録を受けた後は、業務規程を都道府県知事に届出が義務付けられています。

業務規程は、遊漁船業者が業務を行う際の規範となるもので、利用者の安全の確保や利益の保護、漁場の安定的な利用関係の確保に関する事項などを定めなければなりません。

・遊漁船業務主任者の選任

利用者の安全の確保と利益の保護、漁場の安定的な利用関係の確保に関する業務を行う遊漁船業務主任者の選任が義務付けられています。
遊漁船を出航させる際には、遊漁船業務主任者を乗船させなければなりません。

・気象情報の収集等の義務

遊漁船の出航前に、利用者の安全を確保するため必要な気象や海象に関する情報を収集しなければなりません。
そして、利用者の安全の確保が困難であると認めるときは、遊漁船を出航させてはなりません。

・利用者名簿の備え置きの義務

営業所ごとに、利用者名簿を備え置き、これに利用者の氏名、住所その他農林水産省令で定める事項を記載しなければなりません。

・採捕規制内容の周知義務

利用者に対し、その案内する漁場における水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁場の使用に関する制限の内容を周知させなければなりません。

・標識の掲示義務

営業所及び遊漁船ごとに、公衆の見やすい場所に、農林水産省令で定める様式の標識を掲示しなければなりません。

遊漁船業務主任者になるには

遊漁船業務主任者になるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。

(1)海技士(航海)または2級以上の小型船舶操縦士の免許を受けていること
(2)遊漁船業に関して1年以上の実務経験を有すること、または遊漁船業務主任者のもとで10日間(1日につき5時間以上)以上の実務研修を修了していること
(3)農林水産大臣の定める基準に適合すると農林水産大臣が認める(認定)講習または農林水産大臣の定める基準に準拠して都道府県が行う講習を修了し、5年を経過していないこと

<農林水産大臣の認定を受けた遊漁船業務主任者養成講習>
https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/yugyo/what/kouza.html

その他必要な免許

遊漁船業を行うには、特定操縦免許も併せて必要になります。

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