特定漁船について
特定漁船の経緯
小型船舶の範囲の見直しに伴い、令和2年7月1日から、一定の基準に適合する特定漁船が船舶職員及び小型船舶操縦者法上の小型船舶となりました。
それにより、従来は海技士(航海)1名と海技士(機関)1名を乗り組ませないと操船できなかった特定漁船が小型船舶操縦士免許を保有する者1名によって操船することが可能となりました。
特定漁船とは?
特定漁船の基準は次のとおりです。
① 長さ24m未満の漁船であること。
② 沿海区域の境界からその外側80海里以遠の水域を航行しない漁船であること。
③ 総トン数80トン未満の漁船であること。
④ 出力750キロワット未満の推進機関を有する漁船であること。
⑤ 操舵位置において、一人で操縦を行う構造の漁船であること。
⑥ 機関区域が無人の状態であっても、警報により直ちに機関区域に行くことができるよう措置された漁船であること。
⑦ 軽油又はA重油を内燃機関の燃料として使用する漁船であること。
⑧ 一航海の期間が10日を超えない漁船であること。
⑨ 適切な見張りを維持するための体制が確保された漁船であること。
⑩ 僚船による支援体制が確保された漁船であること。
⑪ 遊漁船業の適正化に関する法律第2条第2項に規定する遊漁船でないこと。
特定漁船を操船するには?
特定漁船が船舶職員及び小型船舶操縦者法上の小型船舶となったことに伴い、一級小型船舶操縦士と二級小型船舶操縦士の免許には、特定漁船能力限定が新たに付与されました。
令和2年7月1日以降に、新規、進級免許の取得や、更新、再交付、訂正があった場合には、操縦免許証の裏面に「(表面)に記載のない限定:特定漁船以外の船舶」と記載されます。小型船舶操縦士免許で特定漁船を操船するには、この特定漁船能力限定を解除することが必要です。
能力限定を解除するには?
特定漁船能力限定を解除するには、一級小型船舶操縦士において特定漁船講習の課程を修了して、能力限定の解除をすることが必要です。
二級小型船舶操縦士には特定漁船講習が実施されないので、能力限定を解除することができません。
しかしながら、特定漁船に該当する漁船は数が少ないので、大半の方は特定漁船に乗船しない限り、能力限定を解除する必要はありません。