小型船舶操縦士試験 ~学科試験編③~
上級科目について
一級を受験する場合には、一般科目と併せて上級科目を受験します。
上級科目は、上級運航Ⅰと上級運航Ⅱから構成されています。
合格基準は、小型船舶操縦士試験 ~学科試験編①~で記載した通り、上級運航Ⅰは8問中4問以上、上級運航Ⅱは6問中3問以上得点したうえで、14問中10問以上の得点が合格ラインとなります。
上級運航Ⅰについて
まず、上級運航Ⅰは、問51から問58までの8問です。
問題番号 | 問題内容 | 難易度 |
問51 | 海図(航海計画) | 低 |
問52 | 海図(船位の測定) | ― |
問53 | 海図(流潮航法) | 高 |
問54 | 航海計画、救命設備・通信設備 | 低 |
問55 | 気象・海象 | 高 |
問56 | 潮汐・潮流・海流 | 低 |
問57 | 荒天航法・台風避航 | 高 |
問58 | 海難防止・海難事例 | 低 |
難易度が比較的低い4問は必ず得点するようにして、その他2~3問程度を得点できるといいと思います。
問51と52の海図はなるべく得点できるようにしておいた方が無難です。
問55の気象・海象は、前線や天気図など少しややこしい箇所です。
天気図は、おおまかな特徴とワードは頭に入れておくといいと思います。
例)日本海低気圧型 ― 西高東低、フェーン現象、春一番
問57の荒天航法・台風避航は、台風の進路に伴う風向きの変化の問題は少しややこしいので、基礎は頭に入れておいて易しめの問題が出題されたときには得点できるように準備しておき、時間に余裕ができた場合に時間を割いて勉強するといいと思います。
上級運航Ⅱについて
次に、上級運航Ⅱは、問59から問64までの6問です。
問題番号 | 問題内容 | 難易度 |
問59 | 機関の保守整備(搭載燃料・燃料消費量・航続距離、ディーゼルエンジン) | ― |
問60 | 機関の保守整備(燃料系統・潤滑油系統の保守整備) | ― |
問61 | 機関の保守整備(冷却水系統の保守整備) | 高 |
問62 | 機関の保守整備(動力伝達系統) | 高 |
問63 | 機関故障時の対処① | 高 |
問64 | 機関故障時の対処② | ― |
4問程度は得点したい科目です。
機関の名称や役割などが出題されます。燃料系統はディーゼルエンジンとガソリンエンジンとの違い、冷却水系統は直接冷却方式と間接冷却方式との違いなどは押さえておく必要があります。
機関故障時の対処は、実技講習や実技試験にも関係してくる箇所なので、ここは押さえておきましょう。
まとめ
一般科目が50問出題されるのに対し、上級科目はわずか14問です。
落とせる問題数が少ないので、上級科目もしっかりと勉強していきましょう。
次回は、実技試験についてご説明します。