小型船舶操縦士試験 ~実技試験編①~
実技試験について
実技試験は、5トン未満の試験船を使用して、原則として受験者3人に対し試験員1人で実施します。
受験者1人に対する試験時間は、概ね30分ということになっています。
配点と合格基準について
科目 | 小型船舶の取扱い | 基本操縦 | 応用操縦 | 合計 |
科目別の配点 | 60点 | 120点 | 120点 | 300点 |
合格基準は、試験科目別の成績が配点の60%以上かつ、成績の合計が配点合計の70%以上であることです。
実技試験の概要
実技試験は大きく分けると、小型船舶の取扱いと操縦の二つになります。
小型船舶の取扱いについて
操縦に自信が無くても、ここで点数を稼げるようにしておくと安心です。
・発航前の点検
指示された箇所についての点検を行います。下記の一覧表の船体・操縦席、エンジン、法定備品・法定書類から、2箇所ずつ点検箇所を選択して指示します。
船体・操縦席 | 法定備品・法定書類 |
1 船体外板 2 船体の安定状態 3 浸水の有無 4 推進器(プロペラ) 5 船灯 6 ワイパー 7 ホーン | 1 信号紅炎 2 ライフブイ(救命浮環) 3 ライフジャケット(救命胴衣) 4 バケツ 5 あかくみ 6 消火器 7 アンカー及びアンカーロープ(又はチェーン) 8 係船ロープ 9 船舶検査証書 10 船舶検査手帳 11 船舶検査済票及び船舶番号 |
エンジン(船内外機の場合) | エンジン(船外機の場合) |
1 バッテリー 2 メインスイッチ 3 燃料油量 4 燃料コック 5 燃料フィルター 6 燃料パイプ等 7 エンジンオイル 8 ギヤオイル 9 パワーステアリングオイル 10 冷却水量 11 Vベルト | 1 バッテリー 2 緊急エンジン停止コード 3 メインスイッチ 4 燃料油量 5 燃料コック 6 燃料ホース 7 燃料フィルター 8 エアベントスクリュー(通気口) 9 プライマリーポンプ 10 エンジンオイル 11 船外機の取付け状態 |
それぞれの箇所がどこにあるのか、どのように点検したらいいのか覚えておく必要があります。
・機関運転
エンジンの始動・暖機・停止を行います。
暖機の回転数については、試験官から指示があると思います。
・トラブルシューティング
トラブルが発生したことを想定し、解決するための処置を実際に行います。
エンジンはかからないがスターターモーターは回る場合は、まず燃料系統を調べる。スターターモーターも回らない場合は、まずバッテリー系統を調べるなどの基本を頭に入れたうえで、その他の確認する場所を少しずつ覚えていくといいと思います。
・解らん・係留
離岸の前に解らん作業、着岸の後に係留作業を行います。
着岸の後の係留作業は、風上側から係留した方が係留しやすいです。
・結索
巻き結び、もやい結び、いかり結び、クリート止め、一重つなぎ、二重つなぎ、本結びから一つを選択して指示します。
私が受験したときは、試験船の操縦席で指示があり、ハンドルにロープで結索しました。
テキストを見ても分かりにくい場合は、YouTubeなどの動画で見た方が分かりやすいと思います。
・航海計器の取扱い
磁気コンパス(ハンドコンパス等)で物標の方位を測定します。
試験官から測定する物標の指示があり、磁気コンパス(ハンドコンパス等)を渡されます。測定後は、試験官も同じ物標を測定して合っているか確認します。
次回は、実技試験の操縦についてご説明します。